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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

文献概要

特集 細胞生物学実験マニュアル 細胞膜・小器官分析

レクチン結合実験法

著者: 川上速人1 平野寛1

所属機関: 1杏林大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.358 - P.361

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 レクチンは糖と相互作用するタンパク質で,その多くは植物種子由来であるが,近年では広く動物,カビ,細菌などからも見出されている。さらに哺乳動物の組織からレクチン様物質が数多く報告されるに至り,レクチン自身の機能についても一層の注目が集っている。組織細胞化学の領域で繁用される主なレクチンおよびその糖結合特異性を表1に示す1,2)。これらのレクチンを利用して,細胞膜や細胞内小器官に存在する複合糖質の分布,あるいはそれらの合成経路の解析など広範囲な研究が可能となる。また腫瘍マーカーとしての応用や,特定の組織,細胞の同定法への応用なども盛んである。レクチンの糖結合特異性の詳細や,糖鎖構造の解析などについては総説を参照されたい3-5)
 レクチンを組織細胞化学的に適用する際,いくつかの選択肢がある。光顕か電顕か,標識物質の種類は,レクチンとの反応は標本を作る前か後かなど,実験目的に応じてあらかじめ決めておかなければならない。レクチン結合部を可視化する標識として一般に用いられるのは,螢光物質(FITCなど),西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP),フェリチン,金コロイドなどである(図1)。レクチンを実際に適用する際の選択肢を図2にまとめて示す。直接標識法(一段法)では標識したレクチンを試料と直接反応させる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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