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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

文献概要

特集 細胞生物学実験マニュアル 基本技術

Triton細胞モデル

著者: 尾張部克志1

所属機関: 1名古屋大学理学部附属分子生物学研究施設

ページ範囲:P.398 - P.400

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 ■ 概要
 細胞を適当な処理により細胞膜をこわしたものを細胞モデルとよぶ。細胞モデルは膜障壁を持たないので,細胞外液の組成をかえることにより細胞内pHやイオン組成,ヌクレオチド濃度などを自由に変化させたり,膜不透過の薬物やタンパク質の影響を調べたりすることができる。Triton細胞モデルとは界面活性剤Tritonで細胞を処理し,可溶性成分を溶出したものである。このモデルは細胞運動の研究に便利である。
 高等動物細胞は,3種類の収縮可能な微細線維束を形成することができる。培養細胞によく発達しているストレスファイバー(stress fiber),細胞分裂時に形成される収縮環(contractile ring),それに上皮細胞に形成される環状微細線維束(circumferential microfilarnentbundle)である。細胞モデルを用いることにより,これら3種の微細線維束を人工的に収縮させることができる。ここでは培養細胞のTriton細胞モデルを用いたストレスファイバーの収縮について述べたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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