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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

文献概要

特集 細胞生物学実験マニュアル 基本技術

イムノブロッティングの進歩

著者: 小林良二1

所属機関: 1秋田大学医学部生化学第2講座

ページ範囲:P.418 - P.420

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 ■ 概要
 タンパクをスラブゲル電気泳動で分離した後,ニトロセルロース膜(以下NC膜)などに転写し,この膜上で抗原抗体反応を行うことにより特定のタンパク(抗原)を検出・同定する方法をイムノブロットと呼んでいる。Towbinの報告以来,種々の改良が加えられきわめて有用な基礎技術として定着している。電気泳動法の高分解能と酵素抗体法などの高感度検出法を巧妙に組合せた方法であり,①高感度,迅速・低バックグラウンド,②多検体の同時スクリーニングが可能,③NC膜に吸着したタンパクの回収が可能など数多くの特徴を持っている。粗抗原を用いてモノクローナル抗体を作成した時,粗抗原を電気泳動で分離しイムノブロットを行うことで抗体の特異性を検討したり,また蛋白分子内の抗原部位の解析など,従来の方法では難しかったことが容易に行えるようになった。イムノブロットは①タンパクの電気泳動,②泳動後のゲルからNC膜への電気泳動による転写,③膜上のタンパクの免疫学的検出の3段階によって行われるので,以下この順に解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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