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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻4号

1986年08月発行

特集 細胞生物学実験マニュアル

基本技術

急速凍結ディープエッチング法

著者: 廣川信隆1

所属機関: 1東京大学医学部解剖学教室

ページ範囲:P.426 - P.434

文献概要

 生物試料を液体ヘリウムないし窒素で冷却した純銅表面に圧着することにより急速凍結させると,試料の表面から10〜15μmまでを硝子化状態で凍結させることができる。この条件下では氷の結晶は非常に小さく細胞の微細構造を破壊することはない。またこの場合,凍結保護剤(グリセロールやDMSO)を必要としないので,これらの試料を凍結破断装置の中で凍結破断後,試料温度を上昇させ細胞膜真表面や細胞質内をおおっている氷を昇華させること(エッチング)が可能である。このように急速凍結,フリーズフラクチャー,ディープエッチングにより細胞膜,オルガネラ膜真表面および細胞骨格系の三次元構造の高分解能での観察が可能となった。さらに試料を抗体で処理することにより未知の構造の化学組成および生化学的に分離された蛋白の細胞内局在を分子レベルで解析することが可能となった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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