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特集 神経活性物質受容体と情報伝達
序論—受容体の構造と機能をめぐって
著者: 栗山欣弥1
所属機関: 1京都府立医科大学薬理学教室
ページ範囲:P.534 - P.534
文献購入ページに移動 受容体(レセプター)の概念とその存在は,1905年Langley,そして1906年にEhrlichにより提唱され,その後Hillにより受容体と薬物の複合体の形成速度の計算式が1909年に提示されるに及んで,本格的な研究が開始されたのである。それ以来実に70年以上の歳月を経過した訳であるが,最近の10〜20年における受容体機構の研究の進歩はとくにめざましく,いわゆる生物科学系の各種の雑誌をみても,受容体機構に関する論文のないものを見出すのが困難なほどになってきている。
このような隆盛を迎えた理由には多くのものがあげられようが,本来薬理学者の研究対象であった受容体が,生化学,生理学,内分泌学,さらには臨床医学の各分野の研究者などの興味の対象として取り上げられ,またこれらの関連分野で新しく開発された諸種の研究技法が有効かつ適切に組入れられるようになったことによることが大きいと考えられる。
このような隆盛を迎えた理由には多くのものがあげられようが,本来薬理学者の研究対象であった受容体が,生化学,生理学,内分泌学,さらには臨床医学の各分野の研究者などの興味の対象として取り上げられ,またこれらの関連分野で新しく開発された諸種の研究技法が有効かつ適切に組入れられるようになったことによることが大きいと考えられる。
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