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特集 神経活性物質受容体と情報伝達
ニコチニックアセチルコリン受容体
著者: 高橋智幸1
所属機関: 1京都大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.539 - P.544
文献購入ページに移動今世紀初頭,英国の生理学者Langleyは,ニコチンによって生じる筋収縮がクラーレによって拮抗を受けることを見出した1,2)。彼は,ニコチンおよびクラーレの作用が除神経の後にも存在することから両物質の作用点は神経でなく,筋細胞であることを示した。さらに,ニコチンによる筋収縮作用がクラーレによって完全に抑制された後にも,電気刺激によって筋収縮がひき起こされることから,両物質の作用点は収縮系でなく,筋細胞固有の「受容物質」(receptive substance)であると結論した。
その後,約30年を経て,アセチルコリンが神経筋接合部の伝達物質として同定され3),ニコチン様の作用が,生理的にアセチルコリンによってひき起こされることが明らかになるに至り,受容物質は,ニコチニックアセチルコリン受容体と称せられるようになった。
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