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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻6号

1986年12月発行

文献概要

特集 神経活性物質受容体と情報伝達

ニコチニックアセチルコリン受容体

著者: 高橋智幸1

所属機関: 1京都大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.539 - P.544

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 I.受容体の概念
 今世紀初頭,英国の生理学者Langleyは,ニコチンによって生じる筋収縮がクラーレによって拮抗を受けることを見出した1,2)。彼は,ニコチンおよびクラーレの作用が除神経の後にも存在することから両物質の作用点は神経でなく,筋細胞であることを示した。さらに,ニコチンによる筋収縮作用がクラーレによって完全に抑制された後にも,電気刺激によって筋収縮がひき起こされることから,両物質の作用点は収縮系でなく,筋細胞固有の「受容物質」(receptive substance)であると結論した。
 その後,約30年を経て,アセチルコリンが神経筋接合部の伝達物質として同定され3),ニコチン様の作用が,生理的にアセチルコリンによってひき起こされることが明らかになるに至り,受容物質は,ニコチニックアセチルコリン受容体と称せられるようになった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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