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特集 神経活性物質受容体と情報伝達
受容体の変化と神経疾患—ACh受容体を中心として
著者: 中村重信1
所属機関: 1京都大学医学部神経内科教室
ページ範囲:P.582 - P.586
文献購入ページに移動ACh受容体についてはすでに述べられたように,nicotine性受容体とmuscarine性受容体に分けられる。nicotine性ACh受容体はヒトをはじめラットなどの動物の脳のほか,脊椎動物骨格筋の神経—筋接合部やシビレエイ発電器官のシナプス後膜に存在する。nicotine性受容体は京都大学の沼教授のグループによりシビレエイの電気器官より抽出したmRNAの逆転写によってcDNAライブラリーを作って,それをもとにして全アミノ酸配列が明らかにされた1)。しかし,骨格筋ニコチン性ACh受容体の抗体に結合する蛋白は脳に認められず,脳のnicotineやAChの結合部位とα-bungarotoxinの結合部位が異なるところから,中枢性(脳)nicotine性受容体と末梢性(骨格筋)nicotine性受容体は異なると考えられる2)。
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