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文献詳細

雑誌文献

生体の科学37巻6号

1986年12月発行

文献概要

連載講座 哺乳類の初期発生

着床

著者: 舘鄰1

所属機関: 1東京大学理学部動物学教室

ページ範囲:P.589 - P.596

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 哺乳類は脊椎動物の主要なグループの一つとして,約4,000種(Cobert and Hill, 1980)1)が知られているが,研究者によって種や亜種の分類が異なるものが少なくないので,だいたい4,000±500種の範囲と考えるのが適当であろう。この中で,単孔類に属する3種〔これにも古くから議論が多いが,ここでは,Griffiths(1978)に従った〕が卵生(oviparous)である以外は,すべて,胎生(viviparous)である。後にも触れるが,胎生種は,爬虫類,両生類,魚類に,その例が数多く見出され,無脊椎動物においても,決して稀な生殖様式ではない。実際,無脊椎動物の主要な門(phylum)にはほとんどすべて胎生種の例が見出されている。
 胎生は,有性生殖と並び,主要な生殖様式の一つとして,生物進化の歴史の上で早くから出現したが,胎生を代表的な生殖様式としてほとんどすべての種が用いている動物グループは,哺乳類のみである。そして,そのことが,哺乳類の初期発生の様式を大きく決定ずけている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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