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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻1号

1987年02月発行

文献概要

特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦

感染:ヒトのレトロウイルス感染症

著者: 星野洪郎1

所属機関: 1群馬大学医学部衛生学教室

ページ範囲:P.59 - P.63

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 ヒトにもレトロウイルスの感染症があることがここ数年で明らかになってきた。成人T細胞白血病(ATL)の原因であるヒトT細胞白血病ウイルス1型(Human T-cell leukemia virus type 1:HTLV-1)による感染症と,後天性免疫不全症候群(Acquired immune deficiency syndrome:AIDS)の原因であるヒト免疫不全症ウイルス(Human immunodeficiency virus:HIV)による感染症である1,2)。外国の科学雑誌,専門雑誌を見ていて,AIDSほど頻繁にニュース,解説,論文に登場する疾患も今までになかったのではないかと思われる。幸いなことに1986年9月現在で,日本では21名の患者が認定されているに過ぎない。米国では,9月現在24,859人の患者が報告されており,さらに今後数年で10万人位の患者が出ることは確実と思われる。AIDS患者が1万人発生すると,医療費として1〜2,000億円ほどになり,社会的な損失は,1兆円位になるそうである。ここでは,癌(ATLなど)以外のヒトのレトロウイルス感染症をレビューしたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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