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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻1号

1987年02月発行

文献概要

解説

伝達物質によるイオン能動輸送の制御作用—カテコールアミンとNa−Kポンプ

著者: 甲斐原梢1 纐纈教三2

所属機関: 1九州大学理学部化学教室 2久留米大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.84 - P.88

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 神経細胞や筋細胞の膜電位はNa,KとClの細胞内外の濃度差と,細胞膜のこれらのイオンに対する透過性によって決まる拡散電位であり,その大きさはGoldmanの理論式によって示されることは一般に認められている。したがって膜電位が変化する場合は,細胞膜の透過性の変化か,または細胞内イオン濃度の変化によるものである。また,正常な細胞内のイオン濃度を保つうえにNa−Kポンプが重要な役割を演じていることはよく知られている。
 Na−Kポンプの変化は細胞内のNaとKの濃度変化を生ぜしめ,その結果として膜電位を変化せしめるであろう。さらに,Na−Kポンプの変化が膜電位を変化せしめる機序として,もう一つ重要な可能性が考えられる。すなわち,もしNa−Kポンプそのものがelectrogenicであれば,Na−Kポンプの変化は直接に膜電位を変化せしめるであろう。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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