文献詳細
文献概要
特集 体液カルシウムのホメオスタシス
特集によせて
著者: 藤本守1
所属機関: 1大阪医科大学生理学教室
ページ範囲:P.93 - P.94
文献購入ページに移動 体液のホメオスタシス(恒常性維持)は,体液量(Iso‐volemia),浸透圧(Isosmosis),イオン性状(Isoionia),pH(Isohydria)という四本柱で組立てられている。その生理学的重要性は,すでに一世紀以上も前にフランスのClaude Bernard(1813〜1878)によって指摘され,その概念は今世紀初頭に米国のWalter Cannon(1871〜1945)によって全世界的に知られるようになった。体液研究が進み,その知見が実際医療における体液管理の中に導入されるに及んで,人類の寿命も著しく延びた。
体液イオンの研究の主な対象を歴史的に眺めると,今世紀の半ばを敢えて「ナトリウムとカリウム時代」とすれば,この最後の四半世紀は,まさに「カルシウム時代」といっても過言ではないであろう。最近は,とくに免疫学や生化学の急速な進歩に伴い,カルシウムが,「細胞機能の万能調節者(Universal Regulator)」としての地位を不動のものにした感がある。今日,それほどカルシウムへの一般の関心が高まっており,このたび本誌において,「体液カルシウムについての特集」が企画されたことはまさにタイムリーといえる。
体液イオンの研究の主な対象を歴史的に眺めると,今世紀の半ばを敢えて「ナトリウムとカリウム時代」とすれば,この最後の四半世紀は,まさに「カルシウム時代」といっても過言ではないであろう。最近は,とくに免疫学や生化学の急速な進歩に伴い,カルシウムが,「細胞機能の万能調節者(Universal Regulator)」としての地位を不動のものにした感がある。今日,それほどカルシウムへの一般の関心が高まっており,このたび本誌において,「体液カルシウムについての特集」が企画されたことはまさにタイムリーといえる。
掲載誌情報