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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻2号

1987年04月発行

文献概要

特集 体液カルシウムのホメオスタシス

特集によせて

著者: 藤本守1

所属機関: 1大阪医科大学生理学教室

ページ範囲:P.93 - P.94

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 体液のホメオスタシス(恒常性維持)は,体液量(Iso‐volemia),浸透圧(Isosmosis),イオン性状(Isoionia),pH(Isohydria)という四本柱で組立てられている。その生理学的重要性は,すでに一世紀以上も前にフランスのClaude Bernard(1813〜1878)によって指摘され,その概念は今世紀初頭に米国のWalter Cannon(1871〜1945)によって全世界的に知られるようになった。体液研究が進み,その知見が実際医療における体液管理の中に導入されるに及んで,人類の寿命も著しく延びた。
 体液イオンの研究の主な対象を歴史的に眺めると,今世紀の半ばを敢えて「ナトリウムとカリウム時代」とすれば,この最後の四半世紀は,まさに「カルシウム時代」といっても過言ではないであろう。最近は,とくに免疫学や生化学の急速な進歩に伴い,カルシウムが,「細胞機能の万能調節者(Universal Regulator)」としての地位を不動のものにした感がある。今日,それほどカルシウムへの一般の関心が高まっており,このたび本誌において,「体液カルシウムについての特集」が企画されたことはまさにタイムリーといえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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