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特集 体液カルシウムのホメオスタシス
カルシウムホメオスタシスと腸管吸収
著者: 藤本守1
所属機関: 1大阪医科大学生理学教室
ページ範囲:P.111 - P.118
文献購入ページに移動 体液成分のホメオスタシスはそれぞれの摂取,中間代謝処理,排泄のバランスの上に成り立っており,その調節は各段階で起こる。一般に電解質代謝では摂食・飲水などのような行動調節,吸収・排泄にあずかる小腸や腎臓のような輸送器官の調節,体内貯留を決定づける組織(カルシウムでは主として骨)の活動状態の調節が直接関わってくる。
食物中のカルシウム摂取量は,その個体のカルシウムの出納量を決定する第一段階であり,生体はその必要量を大幅に上回る大量のカルシウムを経口的に取り入れる。そして腸管の上皮膜で消化・吸収率を体にマッチさせるように調節する。吸収されたカルシウムは血管やリンパ管を通じて広く細胞外液に分布し,細胞を直接取り巻く「内部環境」を作る。骨,軟骨,結合組織などは細胞外液カルシウム濃度の調整に利用される一方,それぞれの細胞内にプールされたカルシウムは個々の細胞機能発現のために用いられる。これが調節の第二段階である。体全体のカルシウムの過不足を決定する機構の第三段階は腎の調節機構である。腸管での吸収の調節を「粗調節」とすれば腎による排泄の調節は「微調節」といえる。すなわちネフロンの働きによって,カルシウムの濾過・再吸収量を調節し,排泄量を変化させることによってカルシウムのホメオスタシスを達成する。
食物中のカルシウム摂取量は,その個体のカルシウムの出納量を決定する第一段階であり,生体はその必要量を大幅に上回る大量のカルシウムを経口的に取り入れる。そして腸管の上皮膜で消化・吸収率を体にマッチさせるように調節する。吸収されたカルシウムは血管やリンパ管を通じて広く細胞外液に分布し,細胞を直接取り巻く「内部環境」を作る。骨,軟骨,結合組織などは細胞外液カルシウム濃度の調整に利用される一方,それぞれの細胞内にプールされたカルシウムは個々の細胞機能発現のために用いられる。これが調節の第二段階である。体全体のカルシウムの過不足を決定する機構の第三段階は腎の調節機構である。腸管での吸収の調節を「粗調節」とすれば腎による排泄の調節は「微調節」といえる。すなわちネフロンの働きによって,カルシウムの濾過・再吸収量を調節し,排泄量を変化させることによってカルシウムのホメオスタシスを達成する。
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