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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻2号

1987年04月発行

文献概要

特集 体液カルシウムのホメオスタシス

老化とカルシウムホメオスタシス

著者: 藤田拓男1

所属機関: 1神戸大学医学部第三内科

ページ範囲:P.126 - P.130

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 老化の定義は,時の経過とともにすべての生体における非可逆的な機能の低下であり,また外界の変化に対する適応と体内でのホメオスタシス調節の機能が,とくに減少することが知られている。したがって老化はホメオスタシスの低下という一面をもっているので,カルシウムのホメオスタシスも例外ではないと思われる。
 しかしながら老化に伴って起こるホメオスタシスの変化にもいろいろなパターンがあり,その速度も違うはずであり,またこのような変化が,老化によるカルシウム代謝異常,代謝性骨疾患の病態と密接な関係があることは確かである。骨粗鬆症の他に,高血圧,動脈硬化,糖尿病,免疫異常,老人性痴呆など,カルシウム代謝に関連して起こる老年期の疾患は多く,カルシウムのホメオスタシスの乱れはこれらの疾患の背景として重要である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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