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特集 体液カルシウムのホメオスタシス
モデル動物を用いたカルシウムホメオスタシスの研究
著者: 藤井儔子1
所属機関: 1帝京大学医学部薬理学教室
ページ範囲:P.131 - P.136
文献購入ページに移動 カルシウムのホメオスタシスの研究に用いるモデル動物は,何らかの手段によってカルシウム代謝調節に異常を生じさせた病態動物である。あらゆる実験動物を対象にしうるが,日常の研究には小動物のラットがもっとも多く使用される。正常血中カルシウムレベルは約10mg/dl,副甲状腺ホルモン(PTH),カルチトニン,活性化ビタミンDの三主要調節ホルモンの分泌,作用機序などの大要はヒトの場合によく似ている。しかし,寿命の違い,ヒトと反対に血中カルチトニン値が加齢に伴って増加する1)などの相違点を承知して研究に用いなければならない。
カルシウム代謝調節異常の病態モデルを大きく2種類に分けて論じたい(表1)。一般にカルシウムホメオスタシスに関する研究には表1-Ⅰに属する各種の手技を用いて多くの実験が行われてきた。これに対し,表1-Ⅱの1〜3は藤井らが実験的に作成したモデル動物である。第1世代仔に発現した異常形質が継代される特色を有する。ただし,これらモデル動物の異常形質発現の機序,継代の機序はまったく不明であり,また,カルシウムホメオスタシスの特性を十分に解明していないものも含まれている。
カルシウム代謝調節異常の病態モデルを大きく2種類に分けて論じたい(表1)。一般にカルシウムホメオスタシスに関する研究には表1-Ⅰに属する各種の手技を用いて多くの実験が行われてきた。これに対し,表1-Ⅱの1〜3は藤井らが実験的に作成したモデル動物である。第1世代仔に発現した異常形質が継代される特色を有する。ただし,これらモデル動物の異常形質発現の機序,継代の機序はまったく不明であり,また,カルシウムホメオスタシスの特性を十分に解明していないものも含まれている。
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