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謎シリーズ
利き手と言語
著者: 廣瀬肇1
所属機関: 1東京大学医学部音声言語医学研究施設
ページ範囲:P.157 - P.160
文献購入ページに移動 なぜ利き手と言語の関係が話題となるのか──緒言にかえて
ヒトの身体に循環系などにみられるような構造的な非対称性があることは古くから知られていたが,神経系とくにその機能に関連した非対称性ないし片側優位性については,19世紀後半のBrocaあるいはDaxによる言語機能に関する左側大脳半球優位性の発見が最初の知見と考えられる。
一方,利き手はヒトの運動機能の片側優位性のうちもっとも目立つものの一つであり,しかも頻度の上で圧倒的に右利きが多いために,左大脳半球との関連が想定されるところとなった。そこで,大脳半球機能の非対称性という命題を一種の媒体として,利き手と言語の関係が種々の視点から検討の対象になったといえよう。
ヒトの身体に循環系などにみられるような構造的な非対称性があることは古くから知られていたが,神経系とくにその機能に関連した非対称性ないし片側優位性については,19世紀後半のBrocaあるいはDaxによる言語機能に関する左側大脳半球優位性の発見が最初の知見と考えられる。
一方,利き手はヒトの運動機能の片側優位性のうちもっとも目立つものの一つであり,しかも頻度の上で圧倒的に右利きが多いために,左大脳半球との関連が想定されるところとなった。そこで,大脳半球機能の非対称性という命題を一種の媒体として,利き手と言語の関係が種々の視点から検討の対象になったといえよう。
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