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特集 人間の脳
言語の神経機構研究—意味処理過程への示唆
著者: 宮城島一明1
所属機関: 1東京大学医学部第一生理学教室
ページ範囲:P.200 - P.209
文献購入ページに移動 近年の神経科学の発展により,脳の高次機能,とりわけ視覚情報の処理過程に関しては多くの事実が明らかになりつつある1)。ところが,脳における言語機能の仕組みの大部分は未解明のままであると言ってよい。その理由としては,言語機能がヒトに特有であって動物実験のできないこと,感覚系と運動系の両方に跨っていること,他の認知機能との連携の上に成り立っていること,などが挙げられる。
ところで,言語を研究の対象とする学問分野には,神経学のほかに言語学や心理学がある。そこで,言語に対する統一的な理解がなされるためには学際的な協同が必要であることは言うまでもない。しかし一体,これら諸分野で取り扱われる概念は,仮に"misplaced-concreteness"注1)に陥らなかったとしても,果たして,互いに直接対応しうるのであろうか。
ところで,言語を研究の対象とする学問分野には,神経学のほかに言語学や心理学がある。そこで,言語に対する統一的な理解がなされるためには学際的な協同が必要であることは言うまでもない。しかし一体,これら諸分野で取り扱われる概念は,仮に"misplaced-concreteness"注1)に陥らなかったとしても,果たして,互いに直接対応しうるのであろうか。
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