icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻3号

1987年06月発行

文献概要

特集 人間の脳

脳の性差—機能的・形態的性分化

著者: 新井康允1

所属機関: 1順天堂大学医学部第2解剖学教室

ページ範囲:P.216 - P.222

文献購入ページに移動
 男らしさ,女らしさというように,身体的な面ばかりでなく,色々と行動的にも男女の違いが認められるものがある。ヒトの場合,性役割の成立に文化的・社会的な要因がより重要と考えられ,生物学的な要因はそれほど重視されないようであるが,行動の発現を制御している脳にも何らかの性差があってもよいはずである。
 空間認識能力が男女で微妙な差があるという心理学テストの結果もあるし,大脳皮質の機能の左右特殊化lateralizationの程度も男女で多少差があるという報告もある。また,最近数理的推論のきわめて高い能力をもった数学的早熟児は男子に多いということが報告され話題を呼んだ。このような男女差の成因について依然として社会環境要因説で説明しようとする傾向はあるけれども,これを何か生物学的基盤から考えようとする動きがでてきた1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?