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特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル 抗体の作製と吟味
特定生体物質に対する抗体作製・使用法—神経ペプチド
著者: 矢内原昇1
所属機関: 1静岡県立大学薬学部生物薬品化学教室
ページ範囲:P.366 - P.368
文献購入ページに移動 神経ペプチドの単離・構造決定法の改良により,一方では遺伝子組み換え技術の発展により,新しい各種の神経ペプチドが発見されるとともに,その前駆体の全アミノ酸配列が提出されるようになった。こうした神経ペプチドやその前駆体の化学構造に関する情報はきわめて重要であるが,それらを再び生体に還元し,その機能の解析に応用する必要がある。その第一の方法として,神経ペプチドの産生細胞を特定することにより,その機能の解析に必要な手がかりを得ることができる。ここに,各神経ペプチドまたは前駆体に関連する特異抗体が必須の基質となり,その特異抗体を用いる免疫組織化学やラジオイムノアッセイにより,神経ペプチドの産生細胞,組織内分布を明らかにすることができる。また,特異抗体を用いて,それぞれの神経ペプチドの作用部位さえも同定することが可能である。
一方,神経ペプチドの単離技術の発展にともないその解析が微量の天然物で可能になるとともに,天然品の入手ができなくなった。ここに,神経ペプチドやその前駆体の化学構造が明らかにされると,ただちにその提出構造に基づき,神経ペプチドそのもの,あるいは前駆体の部分構造に相当するペプチドが化学合成されるようになった。これらの合成神経ペプチドはいずれも抗原としての抗体の作製に用いることができる1)。
一方,神経ペプチドの単離技術の発展にともないその解析が微量の天然物で可能になるとともに,天然品の入手ができなくなった。ここに,神経ペプチドやその前駆体の化学構造が明らかにされると,ただちにその提出構造に基づき,神経ペプチドそのもの,あるいは前駆体の部分構造に相当するペプチドが化学合成されるようになった。これらの合成神経ペプチドはいずれも抗原としての抗体の作製に用いることができる1)。
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