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特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル 抗体の作製と吟味
特定生体物質に対する抗体作製・使用法—エストロゲン等低分子化合物
著者: 田中建志1
所属機関: 1埼玉県赤十字血液センター研究部
ページ範囲:P.376 - P.378
文献購入ページに移動 ここではペプチド以外の低分子の抗体作製法の実際について記す。
タンパク質などの高分子化合物に対する抗体の作製に比べて,エストロゲンなどのステロイドホルモンあるいはその他の低分子化合物に対する抗体の作製はいろいろな点で困難を伴うことが多い。それ自体では免疫原性を持たないが,抗体との反応性は持っているハプテンを,キャリアである免疫原性の高い物質と結合させるとそのハプテンに対する抗体が産生される。エストロゲンなどのステロイドホルモンでは,カルボニル基にカルボキシメトキシルアミンを結合させてO-カルボキシメチルオキシム誘導体を作り,BSAやヘモシアニン(KLH)などのタンパク質のアミノ基と結合させ,免疫原として用いる。または水酸基に無水コハク酸を反応させて,ヘミコハク酸エステル誘導体として用いる方法などが一般的である1)。また合成ペプチドなどで最近良く用いられているPVP(Polyvinylpyrrolidone)に物質を吸着させて免疫感作する方法もある2)。
タンパク質などの高分子化合物に対する抗体の作製に比べて,エストロゲンなどのステロイドホルモンあるいはその他の低分子化合物に対する抗体の作製はいろいろな点で困難を伴うことが多い。それ自体では免疫原性を持たないが,抗体との反応性は持っているハプテンを,キャリアである免疫原性の高い物質と結合させるとそのハプテンに対する抗体が産生される。エストロゲンなどのステロイドホルモンでは,カルボニル基にカルボキシメトキシルアミンを結合させてO-カルボキシメチルオキシム誘導体を作り,BSAやヘモシアニン(KLH)などのタンパク質のアミノ基と結合させ,免疫原として用いる。または水酸基に無水コハク酸を反応させて,ヘミコハク酸エステル誘導体として用いる方法などが一般的である1)。また合成ペプチドなどで最近良く用いられているPVP(Polyvinylpyrrolidone)に物質を吸着させて免疫感作する方法もある2)。
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