文献詳細
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
抗体の作製と吟味
文献概要
1975年に細胞融合法による単クローン性抗体産生の技術が開発1)されて以来,生物界におけるきわめて多くの物質に対する抗体産生が試みられ,生物界に存在する生体の構造と機能の解明に大きく貢献してきている。
細胞融合法に使われる技術の基本をなすものは,細胞培養法である(参考書1-3参照)。どのような細胞を培養するにあたっても,電解質や栄養源としての既知のアミノ酸や糖が必要である。それらに加えて細胞の増殖を支える優れた微小環境としてのホルモン様物質を含めた複数の未知の活性物質が有効であり,血清成分によってそれを置換しきわめて良い増殖を得てきているのが実状である。その場合,成熟動物の血清に比べ,胎仔血清の方がより不都合な成分を含んでいないということで好んで牛胎仔血清(Fetal calf serum,以下略してFCS)が用いられている。細胞融合に用いられる骨髄腫細胞,あるいはTリンパ球由来の腫瘍細胞,ならびにそれらと感作リンパ球との融合細胞腫(ハイブリドーマ)についてもFCSが有効であり,通常10%-FCSの入ったRPMI-1640培地(以下略して10%-1640)などできわめて良い増殖が得られている。
細胞融合法に使われる技術の基本をなすものは,細胞培養法である(参考書1-3参照)。どのような細胞を培養するにあたっても,電解質や栄養源としての既知のアミノ酸や糖が必要である。それらに加えて細胞の増殖を支える優れた微小環境としてのホルモン様物質を含めた複数の未知の活性物質が有効であり,血清成分によってそれを置換しきわめて良い増殖を得てきているのが実状である。その場合,成熟動物の血清に比べ,胎仔血清の方がより不都合な成分を含んでいないということで好んで牛胎仔血清(Fetal calf serum,以下略してFCS)が用いられている。細胞融合に用いられる骨髄腫細胞,あるいはTリンパ球由来の腫瘍細胞,ならびにそれらと感作リンパ球との融合細胞腫(ハイブリドーマ)についてもFCSが有効であり,通常10%-FCSの入ったRPMI-1640培地(以下略して10%-1640)などできわめて良い増殖が得られている。
掲載誌情報