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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻5号

1987年10月発行

文献概要

特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル 抗体の標識

フェリチン標識法

著者: 山本章嗣1 田代裕1

所属機関: 1関西医科大学第一生理学教室

ページ範囲:P.421 - P.422

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 ■概要
 フェリチンは分子量約80万の含鉄タンパク質で,直径約10nmの粒子状をなし,その中心部に水酸化鉄のミセルからなる,電子密度の高い約5nmのコアをもっている。1959年にSingerがフェリチン抗体法を開発して以来,電子顕微鏡レベルの解析に適した大きさをもつ天然の均一粒子として,フェリチンは抗体やレクチンなどの標識に広く用いられている。シグナル/雑音比が高く,計数可能なことはフェリチン標識法の大きな利点である。とくに,フェリチン1分子に抗体1分子とが結合したフェリチン・抗体等モル複合体を用い正確に抗原抗体反応を行わせると,生化学的定量法に匹敵する感度と精度をもって電顕写真上で抗原を定量的に検出することが可能である。この定量的フェリチン免疫電顕法の詳細については前報を参照されたい1,2)
 本稿では,抗体活性の低下が少なく,収量の安定しているKishidaら3)のグルタールアルデヒド2段階法を用いたフェリチン・抗体等モル複合体の作製法4)を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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