文献詳細
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
抗体の免疫化学的応用
文献概要
イムノブロッティングは1980年代に急速に発達した蛋白質の分析技術の一つであり,高分解能のポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)と組み合わせることにより,きわめて有用な技術となった1)。現在ではスラブゲルによるSDS-PAGEと組み合わせて使うのが一般的である。その原理はSDS-PAGEによって分離された蛋白質をさらに電気泳動によってスラブゲルからニトロセルロース膜へ転写し,膜上に固相化された蛋白質を特異抗体によって検出するというものである。それに対し,ドットブロッティングは蛋白質溶液を直接ニトロセルロース膜上に滴下し,膜に結合した蛋白質を上記と同様に検出するものである。抗体を使ってニトロセルロース膜上の抗原を検出する方法には多くのバリエーション2)が考えられるが,ここでは高感度で利用価値の高いストレプトアビジンとビオチンの系を使った酵素抗体法について述べることにする。またSDS-PAGEについては紙面の都合上ここでは省略するので,他の文献3,4)を参考にしていただきたい。
掲載誌情報