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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻5号

1987年10月発行

特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル

抗体の免疫化学的応用

ビオチン-アビジン酵素免疫抗体法

著者: 白石広行1

所属機関: 1宮城県保健環境センター微生物部

ページ範囲:P.437 - P.438

文献概要

 ビタミンの一種であるビオチンと卵白中に存在するアビジンの結合定数(Affinity Constant)は1015M−1,すなわち抗原・抗体反応の100万倍の強さで,不可逆的な反応であることが知られている。この特異性の高いビオチン-アビジン反応を,抗原あるいは抗体の検出に感度のすぐれた方法として広く使用されている酵素免疫抗体法と組み合せたのが,このビオチン-アビジン酵素免疫抗体法(BA-EIA)である。
 アビジンは分子量68,000の塩基性糖タンパク質で,その1分子にビオチンの結合部位を4個もっている。そして,ビオチンが共有結合したIgGは多くのアビジンとの反応部位を持ち,反応の特異性とともに,感度をあげることが可能である。さらに,ビオチンは小分子(MW 274)なので温和な条件で,IgGのような蛋白質の生物活性を低下させることなく結合が可能であるのがビオチン-アビジン系のもう一つの特徴である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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