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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻5号

1987年10月発行

文献概要

特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル 抗体の免疫化学的応用

EIA

著者: 石川榮治1

所属機関: 1宮崎医科大学第一生化学教室

ページ範囲:P.442 - P.443

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 ■測定系の選択
 抗原抗体反応は一般に特異性が高いうえに,低濃度の抗原と抗体の間でも反応が起こりやすく,抗原抗体結合物は比較的解離しにくく安定である。このような抗原抗体反応を利用すると,生体試料中の抗原や抗体を分離することなく,簡便・迅速に,あるいは高感度に測定することができる。これを免疫測定法という。免疫測定法には種々のやり方があるが,図1のように分類することができる。何らの標識をも用いない,沈降法,ネフェロメトリーなどの非標識免疫測定法は簡便であるが,高感度にはならない。標識を用いる方法のうち,標識体などの試薬と試料とを混合して,そのまま標識を検出する均一法は簡便・迅速であるが,高感度とはならないばかりか,この方法は主として,いわば密室の企業内で開発されることが多く詳細は不明である。不均一・標識免疫測定法のうち,競合法は非競合法に比べ感度が低いうえに,抗原量の測定範囲がせまく,再現性も悪い。したがって非競合・不均一・標識免疫測定法が,感度,測定範囲,再現性などの点でもっともすぐれており,サンドイッチ法(図2)がその代表的なものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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