文献詳細
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
抗体の免疫化学的応用
文献概要
抗体と抗原との相互作用は,生物学的な分子認識機構のうちもっとも特異性の高いものの一つであって,この特異性を利用した精製法(イムノアフィニティクロマトグラフィー)により一段階で高度の精製が行えることが多い。この方法で抗体または抗原のいずれをも精製することができるが,前者は他の項で記述されるので,ここでは抗体カラムを用いた蛋白性抗原分子の精製について述べる。
抗原分子の精製法には,(1)試料中の目的物質を特異的に抗体カラムに吸着させた後,抗原分子を解離・溶出させて精製抗原を得る直接的方法と,(2)試料中の夾雑物質を抗体カラムを用いて吸収除去し,試料中の抗原分子純度を上げていく間接的方法がある。後者はポリクローン抗体(抗血清中の抗体)の特徴である関連抗原とも反応する性質によって,複数の夾雑物を除去しうる利点がある。現在汎用されているのは(1)が大部分であり,とくにモノクローン抗体を利用することによりこの精製法の特徴が一層発揮される。もちろんポリクローン抗体を用いることもできるが(参考書1を参照),ここではモノクローン抗体カラムを用いた蛋白質の精製を述べる。
抗原分子の精製法には,(1)試料中の目的物質を特異的に抗体カラムに吸着させた後,抗原分子を解離・溶出させて精製抗原を得る直接的方法と,(2)試料中の夾雑物質を抗体カラムを用いて吸収除去し,試料中の抗原分子純度を上げていく間接的方法がある。後者はポリクローン抗体(抗血清中の抗体)の特徴である関連抗原とも反応する性質によって,複数の夾雑物を除去しうる利点がある。現在汎用されているのは(1)が大部分であり,とくにモノクローン抗体を利用することによりこの精製法の特徴が一層発揮される。もちろんポリクローン抗体を用いることもできるが(参考書1を参照),ここではモノクローン抗体カラムを用いた蛋白質の精製を述べる。
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