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特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル 抗体の免疫形態学的応用
電顕レベルの研究法—凍結置換切片
著者: 市川厚1
所属機関: 1横浜市立大学医学部解剖学教室
ページ範囲:P.477 - P.478
文献購入ページに移動 凍結置換切片とは,生きている細胞や組織を急速凍結法で物理的に固定したのち,凍結置換法1)で脱水と同時に化学固定し,常温に戻してから樹脂に包埋して,通常の薄切法により超薄切片にしたものである。
急速凍結法は,生体から切り出した組織片,または培養細胞を,液体ヘリウム(-269℃)や液体窒素(-196℃)温度に冷やした純銅ブロックに圧着して瞬時に凍結するので,氷晶形成による構造破壊を最小限度に抑え,細胞の微細構造を生きているときの状態で固定し,保存することができるばかりでなく,動的な形態変化を瞬間像として把えることができる。凍結置換法は,氷点以下の低温で氷が有機溶媒に溶ける性質を利用して,凍結試料を-80℃に保った化学固定剤を含むアセトン中に入れ,1〜2晩放置して脱水と同時に化学固定を行うもので,細胞内の諸構造を氷の中に閉じこめたまま化学的に安定化するので,微細構造とその構成物質が良く保存される。したがって,これに免疫細胞化学的方法を適用すれば,従来の化学固定試料における包埋後の免疫染色に比して,格段に優れた微細形態の上に,高い検出率で抗原の局在を証明することができる。
急速凍結法は,生体から切り出した組織片,または培養細胞を,液体ヘリウム(-269℃)や液体窒素(-196℃)温度に冷やした純銅ブロックに圧着して瞬時に凍結するので,氷晶形成による構造破壊を最小限度に抑え,細胞の微細構造を生きているときの状態で固定し,保存することができるばかりでなく,動的な形態変化を瞬間像として把えることができる。凍結置換法は,氷点以下の低温で氷が有機溶媒に溶ける性質を利用して,凍結試料を-80℃に保った化学固定剤を含むアセトン中に入れ,1〜2晩放置して脱水と同時に化学固定を行うもので,細胞内の諸構造を氷の中に閉じこめたまま化学的に安定化するので,微細構造とその構成物質が良く保存される。したがって,これに免疫細胞化学的方法を適用すれば,従来の化学固定試料における包埋後の免疫染色に比して,格段に優れた微細形態の上に,高い検出率で抗原の局在を証明することができる。
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