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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻5号

1987年10月発行

文献概要

特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル 特殊技術

受動免疫への応用

著者: 森昌朋1

所属機関: 1群馬大学医学部第一内科

ページ範囲:P.512 - P.514

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 受動免疫とは抗血清または免疫動物のリンパ細胞を正常動物に移入しておくことにより,移入を受けた動物が免疫を獲得することであるが,現実には受動免疫法としては抗体補給の方法が主であり,細胞の補填はなお不可能であることが多い。抗体補給の方法はジフテリア毒素が抗血清により中和されることや,抗毒素血清を正常動物に移入することにより破傷風毒素に対する受動免疫が成立することがBehring,北里の発見などから判明されており,現在でも特定のウイルスに対する高力価γグロブリンの注射によるウイルス感染症の治療として応用されている。また一方生体内に存在する未だよく生理学的機能が判明していない生理活性物質のその作用を解明するために,生理活性物質に対する高力価γグロブリンを作製し,その抗体を動物に移入することにより,生理活性物質の生体内における作用を解明することも可能である。本稿においては脳内生理活性物質の一つであるTRH(thyrotropin-releasing hormone)の生理学的作用を解明するための受動免疫方法を中心として述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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