文献詳細
特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
特殊技術
文献概要
近年の分子生物学の著しい発展に伴い数多くの癌遺伝子が発見され,細胞の癌化における癌遺伝子の役割が注目されている。癌遺伝子産物は,細胞の増殖因子や増殖因子リセプターとして機能する場合や,細胞内情報伝達系や核内の遺伝子発現の調節に関与する場合が知られている。また,発癌に関与するだけでなく,その前身遺伝子である癌原遺伝子は,巧みな調節機構を介して正常細胞の発生,増殖,分化にも関与することが次第に明らかになってきており,細胞生物学的にも関心を集めている。一方,癌遺伝子産物を腫瘍関連抗原としてとらえ,これを癌の診断や治療の標的分子としようとする研究も行われている。いずれの研究においても癌遺伝子産物に対するモノクローナル抗体の作製がより詳細な解析を可能にした。
本稿ではページ数の都合もあって,著者の知る主な抗癌遺伝子産物モノクローナル抗体を各癌遺伝子毎に免疫原,参考文献とともに表に示した。なお,一般的なモノクローナル抗体の作製やスクリーニングの方法に関しては,本特集の「抗体の作製と吟味」の項を参照していただきたい。
本稿ではページ数の都合もあって,著者の知る主な抗癌遺伝子産物モノクローナル抗体を各癌遺伝子毎に免疫原,参考文献とともに表に示した。なお,一般的なモノクローナル抗体の作製やスクリーニングの方法に関しては,本特集の「抗体の作製と吟味」の項を参照していただきたい。
掲載誌情報