icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻6号

1987年12月発行

文献概要

特集 -チャンネルの最近の動向

植物細胞のCa2+チャンネル

著者: 椎名隆1 田沢仁1

所属機関: 1東京大学理学部植物学教室

ページ範囲:P.557 - P.561

文献購入ページに移動
 植物細胞のCa2+チャンネルに関する電気生理学的知見は動物細胞に比べると少なく,Ca2+チャンネルの一般的性質を比較検討できる段階には残念ながら至っていない。しかしながら,生理機能発現におけるセカンドメッセンジャーとしてのCa2+の重要性が,植物細胞においても指摘され始めており1),その初期反応におけるCa2+チャンネルの役割が注目されている。たとえば,赤色-赤外光反応の場合,外液中にCa2+の存在が必要であることから,フィトクロムによる光受容に続くCa2+チャンネルの開口,細胞内Ca2+濃度の上昇という一連のカスケード的反応が想像されている2)。また,何種類かのCa2+依存性酵素も植物細胞中に見出されている3)。このような状況をふまえて,本総説では植物におけるCa2+チャンネル研究の現状にについ概説したい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?