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文献詳細

雑誌文献

生体の科学38巻6号

1987年12月発行

文献概要

特集 -チャンネルの最近の動向

Caチャンネル作用薬とCaチャンネルのタイプの識別

著者: 大泉康1

所属機関: 1三菱化成生命科学研究所細胞生物学研究部

ページ範囲:P.579 - P.582

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 I.Caチャンネルの種類
 細胞膜に伝達された情報は,細胞内セカンドメッセンジャーによって細胞内小器官へ伝えられる。近年Ca2+がセカンドメッセンジャーとして細胞機能の調節に重要な役割を果していることが明らかになってきた。このCa2+の細胞内流入を直接制御しているのがCaチャンネルと呼ばれる蛋白質分子である。Caチャンネルは電位依存性Caチャンネルと受容体制御性Caチャンネルの二つに大別される。最近,Tsienらのグループ1)は,電位依存性Caチャンネルが電気生理学的および薬理学的性質によってtransient(T)型,long-lasting(L)型およびneither(N)型の三つのサブタイプに分けられるというきわめて注目すべき事実を報告した(表1)2-4)。この三つのCaチャンネルの電気生理学的な相違点としてまず第一に,チャンネルゲートの開閉機構をあげることができる。T型チャンネルは比較的小さな脱分極で活性化されるが,不活性化が速やかに起こるため,電流は一過性に流れる。L型チャンネルは大きな脱分極が起こると活性化され,その不活性化は非常に遅いため,数百msec電流が流れ続ける。N型Caチャンネルは,大きな脱分極が起こらないと活性化を受けない点でL型チャンネルと類似しているが,不活性化はT型チャンネルのように速やかに起こるので,一過性に電流が流れる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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