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特集 遺伝子疾患解析の発展
オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症
著者: 羽田明1 島田和典1
所属機関: 1熊本大学医学部生化学第一
ページ範囲:P.33 - P.37
文献購入ページに移動OTC欠損症は尿素サイクル異常症のうちもっとも頻度の高い疾患であり,肝OTCの障害による高アンモニア血症が病態の主体である。X染色体連鎖遺伝形式をとることから男児では症状が重く,生後数日以内に嗜眠状態,哺乳力低下で発症し,呼吸促迫,嘔吐,筋緊張亢進または低下の後,痙攣,無呼吸,昏睡状態に陥り死亡する例が多い。他の高アンモニア血症を来す疾患でも同様の症状を示すため,症状のみからではOTC欠損症との鑑別は困難である。
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