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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻1号

1988年02月発行

文献概要

特集 遺伝子疾患解析の発展

家族性アミロイドポリニューロパシー

著者: 荒木淑郎1

所属機関: 1熊本大学医学部第1内科

ページ範囲:P.42 - P.47

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 家族性アミロイドポリニューロパシー(familiai amyloidotic polyneuropathy:FAP)は,全身臓器にアミロイドが沈着する系統的アミロイドーシスのなかで,とくに末梢神経障害を主症状とする常染色体優性の遺伝性疾患である。
 1952年,ポルトガルのAndradeは,ポルト市の北部海岸のPóvoa de VarzimにFAPの集積家系を報告したが,本邦では1967年,荒木らが熊本県北部A市にFAPの一大家系について始めて報告し,1973年,鬼頭らは長野県北部にFAPの大家系を報告している。その後,FAPについては,世界各国から報告があいつぎ,病型はポルトガル,日本,スウェーデンは下肢から多発ニューロパシーが上行する型であることがわかり(第1型),米国インディアナ州のスイス系とドイツ系の家系では,上肢始発型(第2型)であり,さらにフィンランドからは顔神経障害を主徴とする顔型(第3型)であることがわかり,今日では,臨床病型は,便宜上以上の3型に区別されている1)(表1)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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