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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻2号

1988年04月発行

文献概要

特集 生体運動の分子機構/研究の発展

ダイニンATPaseと繊毛鞭毛の運動機構

著者: 清水隆1

所属機関: 1工業技術院繊維高分子材料研究所

ページ範囲:P.98 - P.101

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 前稿で真行寺,高橋両氏が記述しておられるように1),繊毛鞭毛の運動は各ダブレット微小管間の"すべり"によってひき起こされると考えられている2-8)。このすべりをもたらすのは,A小管からの突起,"腕"を構成するダイニンATPaseとB小管との相互作用,およびそれに伴うATPの加水分解であり,後者はこの運動のエネルギーを供給する9,10)
 これは,筋肉においてミオシンとアクチンがATPの加水分解を伴いつつ相互作用をして,収縮のための力を発生する機構と類似であると考えられる11)。この相互作用において,アクチンによってミオシンATPaseが顕著に活性化されるが12),同様の微小管によるダイニンATPaseの活性化が予想されていた。ATPaseの活性化は,そのATPaseの果す役割にとってもっとも重要なことであり,ダイニンATPaseの場合には微小管による活性化は,繊毛鞭毛運動の分子機構の中心を成すと考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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