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文献概要
特集 生体運動の分子機構/研究の発展
筋肉におけるエネルギー変換の素過程
著者: 原田慶恵1 柳田敏雄1
所属機関: 1大阪大学基礎工学部生物工学科
ページ範囲:P.110 - P.114
文献購入ページに移動筋収縮におけるエネルギー変換の分子機構について,筋線維や精製したタンパク質の懸濁液を用いて研究がなされてきた。しかし,これらの系は非常に複雑で,多くのタンパク質分子を含んでいるため,平均化した信号の解析から,その素過程を演繹することになり非常な困難を伴う。最近のin vitroでの運動アッセイとビデオ顕微鏡法による個々の分子の運動の観察法の発展はめざましく,われわれはそれらを使って,もっとも単純化された必須部分のみを有する構造体を再構成し,それら個々の運動を直接観察しながら,エネルギー変換の素過程を研究することができるようになってきた。
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