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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻3号

1988年06月発行

文献概要

特集 肺の微細構造と機能

運動と心肺機能—最近の発展

著者: 上田五雨1

所属機関: 1信州大学医学部環境生理学教室

ページ範囲:P.210 - P.213

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 運動に対して肺胞換気量を増すためには呼吸は深くならなければならぬ。たとえば換気量250ml/分で32回/分の呼吸では,肺胞換気量VAは3,200mlである。500mlで16回の時はVAは5,600ml,1,000mlで8回の時は6,800mlとなる。したがって8,000mlの換気中のVAの率は40%,70%,85%と次第に効率がよくなる1)。運動には外呼吸の様式も影響を与える。
 運動中の循環器系の応答は運動筋への血流の増加である。これは心拍出量の増加およびその再配分の両者によって起こる.運動中の骨格筋への分画血流量は著しく増加しているが,脳血流量はほぼ一定に保たれる。生物は加齢とともに太い血管に変化が生じ,血管のインピーグンスは増加し,心臓への負担が増大する。また,圧受容体の感受性も低下し,身体運動に対する心拍数,血圧などの変化は鈍化する2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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