icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻4号

1988年08月発行

文献概要

特集 細胞外マトリックス

コラーゲンの架橋物質

著者: 藤本大三郎1

所属機関: 1東京農工大学農学部農芸化

ページ範囲:P.266 - P.269

文献購入ページに移動
 I.架橋の生理的意義
 生体内においてコラーゲンは線維を形成している。線維はコラーゲン分子が規則的に会合したものであり,分子と分子は共有結合による橋かけ(架橋,クロスリンク)によって結合されている。架橋がコラーゲンの線維構造の保持に重要な役割をはたしていることはよく知られている。たとえば,架橋生成の阻害剤であるβ-アミノプロピオニトリルを若い動物に投与すると,骨の奇形,大動脈瘤,腱が裂けるなど,結合組織の強さの異常な低下をひき起こす1)。コラーゲンが,臓器や体の支持・補強,結合といった機能をはたすためには,架橋は欠くことができない。
 一方,最近コラーゲンの細胞生物学的な機能が注目されている。すなわち,生体の中において細胞の接着,増殖,分化,移動などに重要な役割をもつことがわかってきた。しかし,コラーゲンと細胞の相互作用に,架橋がどのようにかかわっているかは,あまり研究がすすんでいない2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら