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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻5号

1988年10月発行

文献概要

特集 細胞測定法マニュアル 細胞内イオン濃度測定法 細胞内カルシウムイオン濃度測定

エクオリン発光法(培養細胞)

著者: 小島至1

所属機関: 1東京大学医学部第4内科

ページ範囲:P.359 - P.360

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 エクオリンは発光クラゲより抽出精製されたカルシウム感受性発光蛋白である1)。クラゲの発光器官の細胞において,エクオリンは細胞質Ca2+濃度(〔Ca2+c)の上昇を感知して光を発するという目的を担っている。したがってその発光特性,Ca2+感受性などは細胞質のCa2+濃度を測定する上できわめて好都合なものとなっている。近年細胞内Ca2+濃度を測定するための螢光色素が開発され,比較的簡単に〔Ca2+cがモニターできるようになった。しかしこれらの色素はその程度に差こそあれいずれもCa2+キレート作用をもち,正常な細胞内Ca2+の分布や濃度変化に影響を与えることが予想される。さらに細胞機能に影響を与える場合があることも知られている。エクオリンにはそのような作用はなく,さらにエクオリンの発光はCa2+濃度の増加とともに指数関数的に増加するので,〔Ca2+cの微細な変化や細胞内の一部に限局した変化を測定するにはきわめて有用である。われわれの経験では,エクオリンは受容体刺激によるCa2+influxを測定するうえで非常に有利であると思われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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