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特集 細胞測定法マニュアル 細胞内イオン濃度測定法
細胞内マグネシウム測定法(NMR)
著者: 山田和廣1
所属機関: 1大分医科大学生理学教室
ページ範囲:P.381 - P.382
文献購入ページに移動 生体の細胞内には10mMに達するMg2+イオンが存在している。細胞内に存在するMgイオンの大部分はいろいろな細胞内のサイトに結合していると考えられるが,それぞれのサイトにどの程度結合しているかについては,詳しいことは知られていない。また逆に細胞内に存在している遊離Mg2+の濃度についても同様である。これらのことは,生物学上非常に重要な問題である。
燐NMRスペクトルにおいてATPの3種の燐に由来する三つの共鳴線の位置(化学シフト)はMgイオンの結合によって大きく変化することが知られている。細胞内におけるATP由来の共鳴線の位置を知ることによって,ATPがどれ位Mgイオンを結合しているか,ひいては細胞内における遊離Mgイオンの濃度がどれくらいであるかを知ることができると考えられる。ATPにはCaイオンも結合するが静止の生体細胞においてはCaイオン濃度は非常に低く調節されている。
燐NMRスペクトルにおいてATPの3種の燐に由来する三つの共鳴線の位置(化学シフト)はMgイオンの結合によって大きく変化することが知られている。細胞内におけるATP由来の共鳴線の位置を知ることによって,ATPがどれ位Mgイオンを結合しているか,ひいては細胞内における遊離Mgイオンの濃度がどれくらいであるかを知ることができると考えられる。ATPにはCaイオンも結合するが静止の生体細胞においてはCaイオン濃度は非常に低く調節されている。
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