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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻5号

1988年10月発行

文献概要

特集 細胞測定法マニュアル 細胞内ピリジンヌクレオチド・フラビン蛋白質の測定法

フルオレッセン法(筋収縮との同時測定)

著者: 尾崎博1 唐木英明1

所属機関: 1東京大学農学部家畜薬理学教室

ページ範囲:P.434 - P.435

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 エネルギー代謝の研究にはATP,DP,無機リン酸,クレアチンリン酸などの量や酸素消費の変化を知ることが重要である。しかしこれらの物質の測定には時間分解能に限界があり,細胞機能,たとえば筋組織であれば収縮との対応を観察するには不十分であった。呼吸においてピリジンヌクレオチド(NAD,NADP)およびミトコンドリア内膜の蛋白質に補欠分子として結合するフラビンヌクレオチド(FMN,FAD)(フラビン蛋白質)は電子伝達体として働く。ピリジンヌクレオチドは還元に伴って螢光が増加し,フラビン蛋白質は酸化に伴って螢光が増加するが,これらの螢光特性は,ミトコンドリア分画はもとより幾つかの組織でそれらの酸化還元状態を知る手段,すなわち細胞のエネルギー代謝を知る手段として利用されている(文献1参照)。本稿では平滑筋組織を例にとり,還元型ピリジンヌクレオチドと酸化型フラビン蛋白質の螢光(それぞれピリジン螢光およびフラビン螢光と略す)と収縮との同時測定法を紹介する1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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