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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻5号

1988年10月発行

文献概要

特集 細胞測定法マニュアル 細胞レオロジー特性測定

動物細胞の力学的性質の測定

著者: 米田満樹1 山本謙也2

所属機関: 1京都大学理学部動物学教室 2岐阜大学教養部生物学教室

ページ範囲:P.450 - P.451

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 ここで紹介するのは,細胞を既知の外力で変形させて,細胞の「かたさ」(stiffness)を数量的に定める方法である。一定の力のもとでの変形が小さい程,また逆に一定の変形に要する力が大きい程,細胞はより「かたい」といってよい。細胞のかたさの変動は疑いもなく細胞質の何らかの活性の反映だから,「かたさ」の観察により,細胞質の変化が連続的にモニターされる。私達が扱ってきた動物の卵細胞は,本来球形で,かつ内部細胞質には外力に抗する構造がないと考えられるから,細胞の形は細胞表層の張力で支えられているといってよい。そこで私達は,測定された「かたさ」(=力と形の比)という経験的な量を,より具体的な物性定数である「表層張力」(ダイン/cm)に換算する。こうすれば,種々の方法で得られた「かたさ」を,張力という共通の単位で比べることができる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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