文献詳細
特集 細胞測定法マニュアル
細胞レオロジー特性測定
文献概要
ここで紹介するのは,細胞を既知の外力で変形させて,細胞の「かたさ」(stiffness)を数量的に定める方法である。一定の力のもとでの変形が小さい程,また逆に一定の変形に要する力が大きい程,細胞はより「かたい」といってよい。細胞のかたさの変動は疑いもなく細胞質の何らかの活性の反映だから,「かたさ」の観察により,細胞質の変化が連続的にモニターされる。私達が扱ってきた動物の卵細胞は,本来球形で,かつ内部細胞質には外力に抗する構造がないと考えられるから,細胞の形は細胞表層の張力で支えられているといってよい。そこで私達は,測定された「かたさ」(=力と形の比)という経験的な量を,より具体的な物性定数である「表層張力」(ダイン/cm)に換算する。こうすれば,種々の方法で得られた「かたさ」を,張力という共通の単位で比べることができる。
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