icon fsr

文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻5号

1988年10月発行

文献概要

特集 細胞測定法マニュアル 細胞レオロジー特性測定

赤血球変形能

著者: 昆和典1 志賀健2

所属機関: 1愛媛県立医療技術短期大学 2愛媛大学医学部第二生理学教室

ページ範囲:P.452 - P.454

文献購入ページに移動
 循環流動中の赤血球は流れによる応力をうけ流体抵抗を減ずるように容易に変形する。このような挙動は次のような生理的意味をもっている。①血液粘度を低下させる,②赤血球直径より細い毛細血管内の赤血球通過を可能にさせる,③赤血球変形に伴って起こる赤血球内部の流動により赤血球内のガスの拡散を促進する。このように重要な意味をもっているため,赤血球変形の容易さ(変形能)を測定し,末梢循環動態との関連性を検討した報告が多数みられる。しかし,変形能を異なる方法で測定した時,ある方法で有意な変形能の差が検出されても他の方法では有意差なしということも時にみられる。このことは,赤血球変形能を画一的に定めることの難しさに起因すると考えられる。これらの現状を踏まえて,本稿では代表的な変形能測定法1)について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?