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特集 細胞測定法マニュアル 細胞膜流動性測定法
細胞骨格による流動性の制御—概論
著者: 浅野朗1
所属機関: 1大阪大学蛋白質研究所
ページ範囲:P.458 - P.460
文献購入ページに移動 膜成分の流動性が細胞骨格系,および膜骨格系によってどのように制御されているかは種々の手法で調べられているが,ここでそれぞれの方法を詳しく述べることはできないので,現状ではどのような系にいかなる方法が適用できるかを概観することにする。それぞれの方法については引用文献を参照されたい。
流動性が何らかの方法で制御されていると考える根拠は表1にまとめられた実験に基づいている。たとえば,細胞表面の糖タンパク質などをそれに対する抗体で架橋すると,そのタンパク質はエネルギー依存的に細胞の一端に集まりキャップを形成する4,5)。後で述べるように,キャップ形成は用いた抗体に特異的であり,どのような膜骨格タンパク質が同時にキャップに集まるかによって,何と何とが結合しているか見当を付けることができる。ただこの方法は流動速度の定量化はできないので,そのためには他の方法を用いる必要がある。
流動性が何らかの方法で制御されていると考える根拠は表1にまとめられた実験に基づいている。たとえば,細胞表面の糖タンパク質などをそれに対する抗体で架橋すると,そのタンパク質はエネルギー依存的に細胞の一端に集まりキャップを形成する4,5)。後で述べるように,キャップ形成は用いた抗体に特異的であり,どのような膜骨格タンパク質が同時にキャップに集まるかによって,何と何とが結合しているか見当を付けることができる。ただこの方法は流動速度の定量化はできないので,そのためには他の方法を用いる必要がある。
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