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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻5号

1988年10月発行

文献概要

特集 細胞測定法マニュアル 細胞体積測定法

平均細胞体積測定法

著者: 挾間章博1 岡田泰伸1

所属機関: 1京都大学医学部生理学教室

ページ範囲:P.462 - P.464

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 これまで細胞体積測定は,細胞膜の輸送能や脆弱性の評価,細胞内物質濃度の計算などのために主として行われてきた。最近,多くの細胞がその体積の調節能を持ち,たとえ異常浸透圧下に置かれたとしても元の体積へと復帰しうることが明らかとなった1,2)。細胞体積の変化は,たとえば小腸上皮細胞の糖・アミノ酸能動輸送時や運動神経の興奮時のように,生理的条件下においても発生しており,この場合にも細胞体積調節能が重要な役割を果たしているものと考えられる。今後,細胞体積の連続的・定量的測定法はこれまで以上に有用となるだろう。
 平均細胞体積を測定する方法としては,1.ヘマトクリット法,2.形態学的方法,3.光散乱法,4.セルソーター法,5.マーカーを用いての細胞内空間測定法,6.細胞外water space測定法,7.いわゆるコールター・カウンターによる電気的測定法などがある。ここで述べるのは最後の方法である。これまで,この原理に従った細胞体積測定装置3)が,主として血球の計数および体積測定に用いられてきた。近年,この装置に専用コンピュータを内蔵させて連続的に細胞体積測定ができるような工夫もされている4)。われわれは市販の血球計数計(東亜医用電子CC-150 A)に汎用パーソナルコンピュータ(NECPC 9801-VM 2)を接続し連続的に細胞体積を測定できるシステムを開発し,実験に用いている2)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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