文献詳細
特集 細胞測定法マニュアル
細胞運動測定法
文献概要
ゾウリムシやテトラヒメナなどの原生動物繊毛虫類の遊泳運動は,細胞表面を覆う数多くの繊毛の動きに依存している。繊毛は,丁度ガレー船のオールのように周囲の水を後方へ押し,その反動で細胞を前進させる。しかし繊毛虫はいつも前進ばかりしているわけではない。ゾウリムシは,障害物や有害な化学物質に出くわしたり光が当たったりすると,泳ぐ方向を変えたり(回避反応)泳ぐ速さを変えたり(逃走反応)する。このような運動性反応は,すべて繊毛の動き(繊毛運動)の刺激に対する変化(繊毛反応)に依存している。運動性反応の結果,繊毛虫はいろいろな刺激に対する走性行動を示すことになる1)。
繊毛の運動活性は,水を押す方向に当たる有効打の方向と,水を押す強さに当たる繊毛打の強度の二つのパラメーターで記述することができる。繊毛打の形状すなわち繊毛打中の繊毛の形の変化がいつも同じであれば,繊毛打の強度は繊毛打の頻度と見なすことができる。ゾウリムシは主に有効打の方向と繊毛打の頻度を環境条件に応じて変化させている。
繊毛の運動活性は,水を押す方向に当たる有効打の方向と,水を押す強さに当たる繊毛打の強度の二つのパラメーターで記述することができる。繊毛打の形状すなわち繊毛打中の繊毛の形の変化がいつも同じであれば,繊毛打の強度は繊毛打の頻度と見なすことができる。ゾウリムシは主に有効打の方向と繊毛打の頻度を環境条件に応じて変化させている。
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