文献詳細
文献概要
特集 細胞測定法マニュアル 細胞運動測定法
軸索内輸送(AVEC-DIC)
著者: 竹中敏文1 川上倫1
所属機関: 1横浜市立大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.496 - P.499
文献購入ページに移動 光学顕微鏡は電子顕微鏡ほど解像度はないが,生きた細胞をそのまま観察できるという大きなメリットがある。ここで述べる装置は光学顕微鏡にコンピュータ技術を加えて像のコントラスト増強をはかり,今まで観察できなかった細胞内の微細構造を,生きたままの姿で鮮明に映し出し,その動的変化を解析しようというものである。
光学の発展に伴い顕微鏡の精度はどんどん良くなってきた。分解能が上がると微細構造が見えるようになるが,そこで障害に突き当たった。それは,拡大して組織を見ようとすると,無色透明であり,明暗の差や色の差がないため構造が良くみられないことであった。これを解決する方法として開発されたのが位相差顕微鏡であり,微分干渉顕微鏡であった。一般に原形質の各部分は,屈折率や厚みの差があり,これを直進した波は位相の変化を受ける。これらの顕微鏡は,この位相変化を光の振幅の差,すなわち明暗の差に変えたものである。これらの顕微鏡により,標本を染色することなしに,生きたまま観察することができるようになった。このようにして微細構造が見えてくると,次に望むものは,少しでも微小なものを見ようということである。近年めざましい発展を遂げたコンピュータ技術は,光学顕微鏡の分野にも大きな影響をもたらした。すなわち,得られた画像をコンピュータでビデオ・デジタル処理することにより細胞の微細形態を見ることができるようになった。
光学の発展に伴い顕微鏡の精度はどんどん良くなってきた。分解能が上がると微細構造が見えるようになるが,そこで障害に突き当たった。それは,拡大して組織を見ようとすると,無色透明であり,明暗の差や色の差がないため構造が良くみられないことであった。これを解決する方法として開発されたのが位相差顕微鏡であり,微分干渉顕微鏡であった。一般に原形質の各部分は,屈折率や厚みの差があり,これを直進した波は位相の変化を受ける。これらの顕微鏡は,この位相変化を光の振幅の差,すなわち明暗の差に変えたものである。これらの顕微鏡により,標本を染色することなしに,生きたまま観察することができるようになった。このようにして微細構造が見えてくると,次に望むものは,少しでも微小なものを見ようということである。近年めざましい発展を遂げたコンピュータ技術は,光学顕微鏡の分野にも大きな影響をもたらした。すなわち,得られた画像をコンピュータでビデオ・デジタル処理することにより細胞の微細形態を見ることができるようになった。
掲載誌情報