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特集 細胞測定法マニュアル 細胞運動測定法
粘菌変形体小片の周期的収縮運動の解析
著者: 石上三雄1
所属機関: 1滋賀大学教育学部生物学教室
ページ範囲:P.525 - P.526
文献購入ページに移動 粘菌Physarum polycephalum変形体は,その流動方向が周期的に反転する往復原形質流動を示す。この往復流動は変形体内に生じる圧力差が周期的に変化することによっているが,その圧力差ができるのは,変形体ゲル層に存在するアクトミオシン-ATP系の収縮装置による周期的張力発生のレベルおよび位相が位置的にずれているためだと考えられている1)。変形体ゲル層の収縮装置はアクトミオシン線維(電顕的には巨大な微小線維の束)という形態をとるが,これは骨格筋の筋原線維のように構造的に安定なものではなく,変形体の収縮弛緩と同期して形成崩壊を繰り返すきわめてダイナミックな構造である。これらのことから粘菌変形体はアクトミオシン系の非筋細胞運動装置の動的変化を張力発生と結びつけて研究する恰好の材料だと考えられている。
ここでは,種々の生理的条件でのアクトミオシン系収縮装置のダイナミックスの研究に有用な変形体小片の周期的収縮弛緩運動と,それに同期して生起するアクトミオシン線維の動的変化について方法論的観点から述べる。
ここでは,種々の生理的条件でのアクトミオシン系収縮装置のダイナミックスの研究に有用な変形体小片の周期的収縮弛緩運動と,それに同期して生起するアクトミオシン線維の動的変化について方法論的観点から述べる。
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