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特集 細胞内における蛋白質局在化機構
ミトコンドリア局在化のシグナル:チトクロムP-450
著者: 伊藤明夫1
所属機関: 1九州大学理学部生物学教室
ページ範囲:P.559 - P.562
文献購入ページに移動ミトコンドリアはクロロブラストと同様,独自のDNAやタンパク質合成系を備えており,独自のタンパク質を合成している。しかし,ここで合成されるタンパク質はわずか十数種であって,大部分のタンパク質は核内のDNAの中にその情報が貯えられており,細胞質のリボソーム上で合成され,ミトコンドリアに特異的に送り込まれる1,2)。われわれはステロイド産生細胞のミトコンドリアの内膜に局在するチトクロムP-450(P-450)を例に,これらのタンパク質が内在している自身の行き先を決めているシグナルの実体と,ミトコンドリアに存在するシグナルの受容機構が何かを調べてきた。本稿では,前者についての最近の知見を紹介する。
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