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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻6号

1988年12月発行

特集 細胞内における蛋白質局在化機構

ミトコンドリア外膜・内膜の局在化シグナル

著者: 中井正人1 松原央1

所属機関: 1大阪大学理学部生物学教室

ページ範囲:P.575 - P.578

文献概要

 ミトコンドリア蛋白質の大部分は核のDNAによりコードされ,細胞質で合成された後ミトコンドリアへ移行する1)。移行した蛋白質は,主たる小区画である外膜,膜間部,内膜,マトリックスのいずれかに配置される(図1)。したがって,これらのミトコンドリア蛋白質は,ミトコンドリアを識別するシグナルに加えて,ミトコンドリア内での局在位置を決定するシグナルも持っているはずである。近年,ミトコンドリア蛋白質の遺伝子が続々とクローニングされ,前駆体の一次構造が多数明らかになり,その比較により局在化シグナルに関する考察が可能となった2)。一方,クローンした遺伝子を操作して得られた修飾遺伝子をin vivoやin vitroで発現させ,改変蛋白質の局在化能を解析することにより,局在化シグナルの同定や局在化機構に関する研究が進みつつある。ここでは,ミトコンドリア外膜,内膜蛋白質の局在化機構を中心に,この分野の最近の知見を紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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