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文献詳細

雑誌文献

生体の科学39巻6号

1988年12月発行

特集 細胞内における蛋白質局在化機構

ミトコンドリア局在化に要求される細胞質蛋白質

著者: 坪井昭三1

所属機関: 1山形大学医学部生化学第一講座

ページ範囲:P.579 - P.583

文献概要

 細胞質で合成されたミトコンドリア蛋白質前駆体は,それぞれの標的認識シグナル(targeting signal)に導かれてミトコンドリア内の定着すべき区画に輸送され定着する。また,この輸送には内膜ポテンシャル(⊿Ψ)が要求されることはすでによく知られていたが1-3),最近蛋白質の生体膜通過に膜外のATPが必要であること4-8),またさらにこのATPは熱ショック蛋白質の一種(unfbldase活性を持つ蛋白質)による前駆体のunfoldingの際に消費されるものであることが明らかにされた9,10)。したがって,細胞質で合成されたミトコンドリア蛋白質前駆体の輸送に要求される細胞質因子としては,筆者らが報告したもの11)を含めて少なくとも二種の蛋白性因子が存在することとなる。さらにこれら細胞質因子の前駆体輸送における役割は,外膜に存在する前駆体の受容体12-16)に関する情報なしには解析できないものである。そこで本総説では,ミトコンドリア蛋白質前駆体受容体および前駆体輸送に関与する二種の細胞質因子について解説する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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