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植物神経のPhylogenie—いわゆる副交感神経と交感神経の起源
著者: 三木成夫123 重井達朗4
所属機関: 1東京大学解剖学 2東京医科歯科大学解剖学 3東京芸術大学教授保健管理センター 4前名古屋大学・薬理学
ページ範囲:P.618 - P.623
文献購入ページに移動1969年第43回日本薬理学会総会の折,若手研究者セミナーにおいて,三木成夫氏(当時東京医科歯科大学解剖学助教授)は表題の講演を行った。そこに紹介されているハンガリーの解剖学者J. Botárの説は,自律神経系の基本概念に関する独創的な見解である。当時三木氏は自家の研究成果と結びつけて深く共鳴するところあり,その要点を,さらにリアルな図によって解説している。とくにその見事な具体例として,"鰓腸の附属器(門脈)として発生した"心臓の神経支配の意義を,画期的な新知見に基づいて論じている。以来20年の推敲を経て,さらに拡充され,深められた論述を準備,投稿しようとした三木氏は,その序文を残したまま不幸にも急逝された(1987年8月)。以下に掲載されるのは,同序文と,1969年のセミナーにおける講演のプリントである。ここに異例の説明を記すのは,このプリントに凝縮されたBotár-三木の見解が,今日なお公表の価値を失わぬと信ずるからにほかならない。
註および文献,附1,2は重井による。
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